解決事例SOLUTION EXAMPLE

2019.06.06

頚椎捻挫・腰椎捻挫による併合14級の神経症状について示談が成立した事例

ご相談内容

解決方法:示談
受傷部位:頚椎捻挫,腰椎捻挫
後遺障害等級:併合14級
取得金額:414万円(自賠責を含み,既払いの治療費等は除く)

Iさんは,平成28年,自動車を運転中して信号待ちをしていたところ,後続車両に追突され,頚椎捻挫,腰椎捻挫等を受傷されました。
Iさんは,通院して治療を続けましたが,頚部や腰部の疼痛,右上肢や右下肢のしびれが続いており,なかなか症状がよくならず,通院を続けなければならなかったため,相手方の保険会社から治療費を打ち切られるのではないかと心配になり,当事務所に相談されました。
最初にご相談を頂いた時点では,症状が残存する場合と比較して治療期間が短かったため,その後も治療を続けることになりましたが,その後,治療期間が6か月となっても症状が良くなりませんでした。
Iさんは,今後の手続について不安を感じていたこと,ご自身の自動車保険に弁護士費用特約があったことから,当事務所の弁護士に,その後の手続を依頼されました。

解決方法

後遺障害診断書において記載が必要な事項等を弁護士から説明して主治医の診断を受けて頂き,当事務所において自賠責の被害者請求を行ったところ,自覚症状のとおり,頚椎捻挫・腰椎捻挫についてそれぞれ神経症状として14級が認定され,併合14級となりました。

その後,弁護士から相手方保険会社に対して損害賠償の請求を行ったところ,神経症状14級による後遺障害喪失期間が争点となりました。

そこで,当事務所の弁護士から,根拠を示した上で労働能力喪失期間について反論を行って対案を提示したところ,当方が提示した対案により示談する旨の回答が保険会社より行われたため,本件は示談により解決することができました。

後遺障害等級の認定

頚椎捻挫や腰椎捻挫の結果,痛みやしびれが残存した場合は,神経症状として,後遺障害等級の認定を求めることになります。 このような神経症状の場合,等級としては12級または14級ですが,非該当とされてしまう事例も多くあります。 本件では,骨折等は存在せず,画像上の変性所見も医師によれば事故前から存在する変性であるとのことでしたので,14級が認定されるか,さもなければ非該当となることが見込まれました。 しかし,当事務所の弁護士が資料を取り寄せた上で,Iさんと打合せを行って詳細について確認したところ,もともと変性があったとしても,返済していた箇所に交通事故による外力が加わって神経に損傷が生じたと考えられる事案であったこと,症状が発生している部位を支配する神経の存在する部分と,変性箇所が整合していたことなどが判明しました。 Iさんが,打合せ結果に基づいて主治医に後遺障害診断書への記載をお願いしたところ,主治医の先生にも快諾して頂くことができました。 その後,当事務所において証拠資料を収集し,自賠責に認定を求めたところ,無事に頚椎捻挫・腰椎捻挫のそれぞれについて14級の認定を受けることができました。

労働能力喪失期間

むち打ち症等による14級の神経症状の場合,逸失利益が認められる期間(労働能力喪失期間)は,2年から5年間が原則とされており,本件においても,相手方保険会社からは3年間との主張が行われました。 これに対して,当事務所の弁護士が,Iさんの受傷内容,画像所見の存在,勤務先における業務内容から収入に対する影響が長く続くと考えられることなどを説明し,交渉した結果,労働能力喪失期間を5年間とする内容で示談を行うことができました。

弁護士より一言

本件は,交通事故による頚椎捻挫・腰椎捻挫の結果,後遺障害として疼痛が残存した場合の事例ですが,後遺障害診断書の作成を医師に依頼する前に,他の資料を確認し,きちんとした準備作業を行った結果,後遺障害等級の認定をスムーズに受けることができました。
 また,労働能力喪失期間についても,当方の希望どおりの期間を前提とする内容で示談を成立させることができました。

弁護士:山本直樹

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